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住宅の5つの基本性能

住宅の基本性能を5つ選んで考えてみます。

(1)耐震性能

(2)断熱性能

(3)気密性能

(4)換気性能

(5)冷暖房システム

 

 

 

(1)耐震性能

 

まずは、残念ながら壁量計算(耐震等級1 建築基準法レベル)ではダメです。

最低でも耐震等級2が必要です。

現在決められている中では最高レベルの耐震等級3(当社では基準レベル)とするべきです。

そもそも耐震等級2を耐震等級3にしたところで建物全体の中ではコストはそれほど変わりません。

 

キッチンやお風呂などの設備のランクアップの方がよほどコストアップとなります。

言い換えれば(2)~(5)よりも耐震性能が一番大切です。

地震や台風で壊れたら他にどれほどコストをかけたり、こだわったりしても意味が無くなってしまいます。

 

耐震等級1と耐震等級2及び3では計算検討項目が大きく違います。

耐震等級2及び3は構造計算(許容応力度計算)に近い検討を行います。

「耐震等級1」と「2及び3」では大きな差が有ります。

これらに合わせて構造計算や3次元解析、制振装置の設置も考えるととても良いです。

 

(2)断熱性能

 

家の中と屋外を隔てる壁や床、屋根面などの熱貫流率で計算、比較検討を行います。

熱貫流率とは内外温度差1℃としたとき1m x 1mの面積に1時間でどれだけの熱が貫通するかという数値です。

熱貫流率の小さな方が断熱性能が高いと言う事になります。

よって床・壁・天井・窓など断熱ラインは熱貫流率の小さな性能を持たせる材料や材料構成を考える必要が有ります。

(同じ断熱材であれば厚さが厚い方が熱貫流率は小さく、断熱性能は高くなります。)

 

(3)気密性能

 

これが一般の方にはなかなか理解がしにくいようです。

・「高気密」というと息苦しいのでは?

・窓が開けにくいのでは?

といったように思われるようですが実際には全く違います。

(2)の断熱性能を良くしても隙間だらけの家では隙間から熱が出入りしてしまいますからいくら断熱性能を高くしてもまったく意味をなさなくなってしまいます。

 

断熱と気密はセットで考える事は絶対に必要な条件です。

冷房や暖房が必要な時期は窓を閉め切れば熱が逃げにくくて快適な室内空間にできます。

冷暖房が不要な春や秋、夏でも外気の方が涼しい夜などは窓を開けて過ごせます。

風通しは大切ですので通風を考慮した開口部の計画も大切です。

通風はあくまで自分で判断して窓を開ければ、

・通風が取れる

・閉めればピタッと熱が逃げない

そういった計画が必要となります。(隙間では駄目なんです。)

 

(4)換気性能

 

隙間だらけの住宅であれば必要ないですが、気密を高くした場合にはそれに見合った換気システムを考える必要が有ります。

窓の高低差を利用した重力換気や、窓を開けての換気も考慮しますが、例えば真冬にコンスタントに窓を開けて換気をしていては快適な室内環境はつくれません。

 

建物ごとに必要換気量を計算し機械換気設備を備える事は必要な事となります。

法律で24時間換気が定められているため現在の住宅では安価な第3種換気(壁の換気口などから外気を取り込んでトイレなどの換気扇で排出するシステム)が多いです。

 

しかし高気密高断熱住宅を造るのであれば第3種換気ではなく熱交換型の第1種換気(冬の寒い外気や夏の暑い外気をそのまま室内に取り込んだり、暖まっている又は涼しくなっている室内の空気をそのまま外に放出するのではなく、入口も出口も熱交換ができる換気扇とする)を採用する事、換気による熱損失を減らす事がとても大きな意味を持ちます。

換気システムは多種多様な物が有りますのでコストを含め住まい手さんにベストなものを選択していきます。

 

(5)冷暖房システム

 

エネルギーが電気なのか灯油なのか、地熱であったり薪や太陽熱であったりと、とても多くの選択肢が有ります。

通風だけでいつも涼しく過ごせるような土地柄でない限り冷房はエアコン1択となります。

現在のところ熱交換効率が最もよいのもエアコンです。

冷房用にエアコンを取付けた上で暖房用に他の器具も設置するか、冷暖房ともにエアコンを利用するかを考えます。

基本はエアコン1台~2台で家中快適に過ごせるように計画をします。

(4)の換気性能と(5)の冷暖房システムは一体となったシステムも有りますので、コストやメンテナンスのしやすさなども考えて住まい手さんにベストなものを選択していきます。

 

(1)~(5)の5つに絞って考えてみましたがこれら以外にも結露、防腐防蟻、耐火、メンテナンス、将来の改修コスト、設備の入れ替えなど全てを同じく、同時に計画をする事が大事です。

これらの要素全てがつながっているため建物をトータルで考えデザインする事が大切になります。