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黒野の断熱改修

築38年の2階建て住宅の断熱改修を設計させていただきました。
当事務所の地元ですのでいつも以上に力が入ります。
監理のために頻繁に現場に通っています。
近いので自転車で!

・冬は寒くて仕方がない
・夏は暑い

お話をお聞きしていても、
何とか改善して快適な終の棲家としたいという思いが強く伝わってきます。
そのお気持ちはとってもよくわかります。

私の育った家も全く同じでしたので!

 

解体後。
解体してみると暑くて寒い理由がよくわかります。

 

今回の計画建物は重量鉄骨造の家です。
正直なところ現在の住宅の高断熱化の流れからは鉄骨造はとても不利なんです。
圧倒的に木造が有利です。

細かいことは省きますが、材料の熱の伝わりやすさ(熱伝導率:数値が大きいほど熱が伝わりやすい)を比較してもその差は歴然です。
鉄 約80 W/m・K
木 約0.2 W/m・K
鉄の方が400倍熱が伝わりやすいのです。
これが建物の主要構造部や外壁の内側(下地)などいたるところに使われています。

この鉄部が外から屋内へ熱を伝える”熱橋”になるため、如何に鉄部と縁を切り
断熱性能と気密性能を向上させるかという事を考えて納まりを練り、
設計しています。

日常の生活は1階で完結するように間取り変更をしているため、
1階は断熱改修と間取りの総変更を行い、
2階は間取り変更と設備の更新としています。
コスト面でも有利な計画です。

 

壁断熱。
鉄骨胴縁間にGW(グラスウール)断熱材を充填し、さらに1層もしくは2層の付加断熱を施工します。

 

天井断熱。
2層のGW断熱材を敷き込み。
吊り木周りもGWをカットして隙間のできないように納めます。
とても手間のかかる作業であり、意識の高い施工をしてくれる大工さんには感謝しかありません。

ポイントは裸のGWです。
ほとんどどこの現場でも使われている袋入りGWでは、「きれいに断熱材が入っている」ように見えても実際には・・・。

天井断熱。
ロール状の断熱材を交互に2層で敷きこんでいるため、隙間(断熱欠損)は最小限となります。

 

気密工事。
断熱と気密は必ずセットです。
気密シートは徹底的に施工します。
基本は下地の上での気密シートの重ね合わせとボードでの挟み込み。
特に端部の納め、配線・配管等の貫通部処理は気を使って施工してもらいます。

万が一の場合や夏型結露を考慮して気密シートには値段が高いですがデュポンの「可変調湿気密シート」を使用します。
完成すると見えなくなる個所は手間を惜しんだり、材料代をケチらないようにします。